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司法書士事務所の短期業績アップ法



今回は(今回も?)、司法書士およびその周辺の方以外には、全く面白くないお話しです。

たぶんどこの司法書士事務所に送られているのだろうと思いますが、船井総合研究所から定期的にダイレクトメールが届きます。DMとはいっても、ゴミ箱へ直行させてしまうような粗悪なものではなく、毎回とても興味深く読ませていただいています。

さすが、同社が運営するウェブサイト「司法書士事務所経営.com」で「司法書士の経営マーケティングなら 船井総合研究所 士業コンサルティンググループ」と謳っているだけのことはあります。

さて、今回のセミナー案内書のタイトルは『90日間でV字回復達成!過払いバブル崩壊後に広告費わずか10万円で月間300万円売上アップを実現した方法を大公開!!』とあります。

あまりにも直接的な煽り文句で文字にするのもはばかられますが、私が考えたのではなく、船井総研さんの案内状からそのまま引用しています。なお、案内書等はこちらのページでご覧になれます。

司法書士事務所が月間300万円売上アップを実現した方法?

V字回復を果たすためにどんな秘策があるのかと期待しつつ読み始めると、『結論から申し上げると、それは実は債務整理なのです。』とのこと。思わずずっこけてしまいました。

最近では、これから力を入れているべき業務として、相続・遺言関連や、不動産の任意売却などを提案していたはずです。それが、ここに来て再び債務整理というのは意外でもあり、想定の範囲内でもあり。

やはり、全くの新しい分野で、短期間のうちに成果を出すのは難しいということなのでしょうか。何にせよ、過払いバブル崩壊後にV字回復を達成する手段が「債務整理」というのは、いかがなものかと思ってしまいますが・・・。

低コストのSEO対策で圧倒的集客を実現?

さらに読み進めていくと、成功モデルのホームページとして『月間で400~700ものアクセスがあり、このうち8割をSEO対策によって、コストをかけずに集めている』、さらに、『アクセス数に対する問い合わせ率を4%』としています。つまり、月間アクセス数が400ならば問い合わせ数は16件、月間アクセス数が700ならば28件。とても素晴らしい数字です。

当事務所の債務整理専門サイトへの月間アクセス数は5,616です(2014年3月15日から4月14日のGoogle Analyticsによる解析結果)。近年は、サイトの更新をほとんどしていませんが、それなりのアクセス数を維持しています。

月間アクセス数が5,000としても、問い合わせ率が4%ならば、なんと毎月225件ものお問い合わせがあることに!もちろん、当事務所へはそんなに多数のお問い合わせは入っていません。

セミナーに行き、コンサルを受ければ、問い合わせ率が大幅に上昇するということなのかもしれませんが。

司法書士事務所ホームページへのアクセス数の現実

ご参考までに、事務所総合サイトへの同期間のアクセス数は28,823件です。これだと、問合せ率が4%なら月に1,150件ものお問い合わせが入ることになります。コールセンターでも開設したくなるような数字です。

ただし、念のため補足しておけば、上記アクセス数はサイト内に設置しているブログへのものも含まれています。したがって、問合せを受けることに特化した、総ページ数が20~30程度のサイトとは、問合せ率が大きく異なるのは当然です。

しかしながら、そんな小規模サイトが『コストをかけないSEO対策』により、十分なアクセス数を集められるかは多いに疑問。地域一番のホームページにするには、コストをかけてSEO業者に頼むか、もしくは、圧倒的な量のコンテンツをもつページにすることが必要なはずだからです。

ホームページによる集客は正しく努力すれば必ず効果が出ます。それなのに、現実には思うような成果を得ることなく、諦めているケースが大多数だと思います。

結果を出すには、司法書士自身が努力し勉強するか、もしくは信頼できる人に全面的にまかせるか。いずれにせよ簡単に効果が出る方法はありません。それが、10年以上もネットによる集客をメインで、司法書士事務所を運営してきた私の結論です。

今後の債務整理業務について

私は、2002年に独立開業した当初から債務整理業務をおこなっています。儲からない割に手間のかかる仕事として、ほとんどの弁護士や司法書士が見向きもしなかった頃です。そのため、同業者から紹介を受けることも多く、儲けることはできなくても、早い段階で事務所経営を軌道に乗せることができました。

それから、いわゆる過払いバブルを経て今に至るわけです。今後、過払い請求のご依頼はさらに減少していきますが、本来の債務整理(任意整理、自己破産、民事再生)のご依頼がなくなることはありません。私としては、今後も変わらぬスタンスで債務整理業務に取り組んでいくだけです。

司法書士ブルーオーシャンはあるのか?

ただ、債務整理業務を新たな事務所経営の柱としていくのは難しいと思います。

それでは、不動産登記に回帰すべき?それとも、相続遺言関連業務に力を入れるのが良い?などと考えてみても、そこはすでに競争の激しい既存市場(レッド・オーシャン)です。

新規参入者であっても、インターネットをフル活用していくことなどにより、業務として成立させていくことは可能でしょうが、容易なことではないのは間違いありません。

それでは、これからの司法書士が、競争のない未開拓市場(ブルー・オーシャン)切り拓いていくことが可能なのかといえば、私はきっとできると思います。それが何であるのかはまだ分かりません。けれども、他の人と違う道を進む勇気を持ち続けるのが、とても大切なことです。

話が思い切り逸れてしまいましたが、債務整理業務というレッド・オーシャンに参入することが、すでに経営難に陥っている司法書士事務所にとって果たして得策なのかと疑問に感じ、思いつくままに書いてしまいました。

私自身も、息抜きのためのブログにこんなに力を注いでいる時間はないのですが~。