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新人司法書士の開業・業務・事務所運営



3連休前に書籍を購入しました。「司法書士研修ノート 開業・業務・事務所運営 実務アシスタントプログラム」(発行:レスシスネクシス・ジャパン、司法書士安井大樹著)、新人司法書士を対象にして書かれた本です。

冒頭に「本書は、新人司法書士、開業前の司法書士、ひいてはこれから司法書士になろうとする方々を対象にした書籍です」とあります。私は新規開業から13年弱が経過しているので、さすがに「新人」司法書士ではありませんが、他の司法書士がどんなことを考えているのかを知るためにも、このような書籍は大変興味深いです。

新人司法書士が独立開業するために

この本を読んだ、新人司法書士の方が独立開業へ向けて足を踏み出すのか、もしくは、思いとどまってしまうのかは分かりません。しかし、司法書士の独立開業についての、リアルな実体が垣間見える良書だと感じました。

著者は2002年に司法書士試験に合格し、2007年に司法書士事務所を設立しています。そして、ウェブサイトの記載によれば、事務所人数は5名(所長を含む)もいるとのこと。新宿に事務所を構えて、4人もの人を雇用しているのは立派です(というより、私など足下にも及びません )。

忙しいであろう日々の業務の合間を縫って、これだけの本を書き上げてしまうというのは、並大抵の努力ではできることじゃありません。さらに、事務所運営にあたり、しっかりと「事務所理念」掲げているところなど、個人ではなく、組織として仕事ができる人との違いを痛感させられました。

などと書いていると、新人司法書士がこの本を読むと、著者のスゴさに圧倒されて開業への意欲が失われないかと心配になったり・・・。まあ、希望とパワーに満ちている開業予定者にそのような方はいないでしょうが。

開業後の新規営業方法 

独立開業を考える新人司法書士にとって、最大の心配事はお金のことでしょう。

開業資金はどれくらい必要か、開業してから売上が安定するまでの運転資金はどうなのか、さらには、そもそもの問題として事務所を維持できるだけの売上を得ることは可能なのか?

私が独立開業した2002年当時、「食えなくて廃業する司法書士はいない」というのが定説でした。開業から3年くらいは苦しくても、その後は何とかなるはずだと。

実際、私の場合も最初は苦しかったものの、既存の司法書士が扱わなかった、自己破産や特定調停申立書の作成を通じての債務整理業務等を積極的におこなうことで、なんとか事務所運営が回り始めました。

その後の過払いバブルを経て、現在は新たな展開を模索しているところではありますが、明日の生活に困るような心配は今のところ無用です。

しかし、近年の独立開業者の場合、最低限の売上を確保することも困難な状況もあるようです。成年後見業務を柱にすれば事務所経営が可能だとの意見も聞きますが、たとえば、結婚して子どももいる男性が満足な収入を得られるとは思えません。

あまり悲観的な話をしても仕方ありませんが、開業しちゃえば何とかなる時代でないのは確かだと思います。私に、これから新規で司法書士事務所を開業するか?と聞かれたとしたら、なかなか難しいところです。

思いつくままに書いていたら、ずいぶん暗い話になってしまいました。それでも、資格が不要な一般の事業を始めるよりは、確実性が高いのは間違いないです。これから独立しようとする新人司法書士の方は、こんな戯言に付き合わずに頑張ってください。